聴力低下を自覚したとき、「難聴は老化現象」「聞こえにくいことを他の人に知られたら恥ずかしい」というイメージが大きいがゆえ、多少の不便は感じつつも今はそれほど困っていないから何もしなくても良いと考える人は多いのかもしれません。
聞こえにくさへの対策を行わなかった場合、どうなっていくのでしょうか。普段、話している家族や友人、仕事の同僚等、自分の周りにいる人との会話のすれ違いが増加します。すれ違いが増えると互いの心の距離も遠くなっていき、会話でコミュニケーションする機会が減少します。また、耳から入る情報自体が少なくなるため、脳への刺激が減少してしまいます。
こうした状態が長く続くと、「認知症」や「うつ」を発症する危険性を高めてしまいます。アメリカで報告された研究によると、難聴の程度によって約2~5倍まで認知症のリスクが高くなるという結果が発表されています。
聞こえにくさを放置したとして、必ずしも認知症やうつになるわけではありませんが、「聞こえにくい」という問題は、補聴器で改善できる可能性があります。